法人向けテレアポに特定商取引法は適用される?適用除外の範囲と、架電前に確かめる4点
法人向けのテレアポは、特定商取引法(特商法)の電話勧誘販売の規制から、原則として外れます。同法の第26条第1項第1号が、「営業のために若しくは営業として締結するもの」を適用除外としているためです。ただし、その契約が本当に「営業のため」かどうかは、契約の実態で判断されます。個人事業主が相手で、商材が私用にもなりうるときは、法人向けの案件でも慎重に見る必要があります。
この記事は、法人向けのアポイント獲得をこれから担当する人に向けて、特商法の適用除外の範囲、個人情報保護法で見落としやすい点、架電前に案件側へ確かめる4点を整理します。法律の解釈は個別の事情で変わるため、筆者は法律の専門家ではなく、条文と公的資料に書かれた範囲でまとめています。判断に迷う案件は、専門家(弁護士など)に相談してください。
アポ獲得に集中できる案件を探している方へ外注ドットコムの営業パートナーにエントリーする
法人相手の電話は、特商法の電話勧誘販売から原則外れる
法人向けの取引が適用除外になる根拠は、特商法第26条第1項第1号の「営業のために若しくは営業として締結するもの」です。東京都生活文化スポーツ局の資料「不適正な取引行為の防止―特定商取引法による規制―」も、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売について、購入者が営業のために、または営業として行う取引は適用除外としています。
| 電話の相手と目的 | 電話勧誘販売の規制 | 見方 |
|---|---|---|
| 会社の担当者に、会社の業務のための商材を案内する | 原則、適用除外 | 契約が「営業のために」結ばれるため |
| 個人事業主に、事業のための商材を案内する | 事業のための契約なら適用除外 | 私用の契約なら対象になりうる。事業用か私用かの実態で判断される |
| 個人(消費者)に、私生活用の商品・サービスを案内する | 対象になりうる | 法人向けの案件では想定しない。呼び出して別の場所で契約させる形は、電話勧誘販売ではなく訪問販売(アポイントメントセールス)の問題になりうる |
この表の「見方」の列は、条文と東京都資料をもとにした筆者の整理です。個別の取引が適用除外にあたるかは、契約の実態で決まります。
「営業のために」にならない場面は、法人向けでも要注意
SalesNowの解説は、電話勧誘販売の規制は原則として消費者(個人)との取引に適用されるとしたうえで、個人事業主や小規模事業者に営業するときは境界が曖昧になる、と説明しています。法人向けと言い切れる案件でも、相手が個人事業主のときは、商材が事業用か私用かを確かめる必要があります。
たとえば、事業にも私生活にも使える商材を、個人事業主に案内する場面です。この場合、どちらの用途で契約するかによって、適用除外になるかが変わりえます。判断に迷う商材や相手は、架電を始める前に、案件側(クライアント)へ確認するのが確実です。
電話勧誘販売の2つのルールと、アポ獲得だけの電話の位置づけ
特商法が電話勧誘販売に定める主なルールは2つです。東京都の資料によると、1つ目は、勧誘に先立って、販売業者名、勧誘を行う者の氏名、商品などの種類、勧誘目的を告げる義務(第16条)です。2つ目は、契約を締結しない意思を示した人への再勧誘の禁止(第17条)です。
では、アポイントを取るだけの電話は、電話勧誘販売にあたるのでしょうか。法人向けでは、前の章のとおり、適用除外に当たるかどうかが先に問われます。そのうえで、適用除外に当たらない相手(個人など)に電話した場合の位置づけとして、電話勧誘販売は、電話で勧誘して、その電話の中で申込みや契約締結を受ける形の取引が対象です。@SOHOの解説(2026年1月公開、9月1日更新)は、アポイントだけを取り、契約は対面や別のオンライン会議で行うテレアポは、この定義に直接当てはまらないケースが多いと考えられる、と書いています。一方で、電話口だけで契約の意思確認まで完結させる営業は、規制の対象になる可能性が高い、としています(ここでも、相手が「営業のために」契約するなら適用除外が先に働きます)。実際の業務フローで判断が分かれるため、専門家に相談するよう勧めています。
外注ドットコムの営業パートナー案件は、アポイント獲得までが中心で、商談とクロージングは原則クライアントが担当します(単価の高い案件では、商談・クロージングまで担当する場合もあります)。そのため、電話で契約まで完結させる形ではありませんが、案件ごとに仕事の範囲は違います。範囲は面談で確認する点です。
電話の範囲や条件を、先に聞いてから決めたい方へ外注ドットコムの営業パートナーにエントリーする
個人情報保護法:会社の情報は対象外、担当者の名前は対象
個人情報保護委員会のQ&A(Q1-1)は、法人の情報は「個人情報」に含まれない、一方で法人の役員等の氏名等の情報は「個人情報」に含まれる、としています。会社名や所在地は対象外でも、役員等の氏名は対象になる、ということです。
同委員会のQ&A(Q2-6)は、法人の代表者の情報は個人情報にあたり、取引先企業の担当者名も同様と説明しています。代表者の氏名などを検索できる形で体系的に構成されたデータベースは「個人情報データベース等」に該当し、中の氏名は「個人データ」にあたると考えられる一方、法人情報だけで検索できる構成で、代表者の個人情報を検索できるようになっていなければ該当しない、とも書いています。担当者名は個人情報なので取得や利用目的の面で注意が要り、リストが「個人データ」の規律の対象になるかは、担当者名で検索できる構成かどうかで分かれます。
架電する側にとって大切なのは、リストの出どころと、利用目的の扱いを自分では決められない点です。リストを誰が用意し、取得や利用目的をどう整理しているかは、案件ごとに違います。募集ページには書かれていないため、稼働前の面談で確認する点になります。
架電前に案件側へ確かめる4点
法律の細部まで自分で判断しなくても、次の4点を案件側に聞いておくと、迷う場面が減ります。案件ごとに答えが違うため、面談で確認する前提です。
| 確認すること | 聞く理由 |
|---|---|
| 誰の名前で名乗るか | 勧誘する側の名称と氏名を告げる場面で、何と名乗るかが決まっていないと止まる |
| アポ獲得までか、電話で契約まで進めるか | 仕事の範囲を知るため。相手が適用除外に当たらない場合、電話口で契約まで完結する形は電話勧誘販売の定義にあたる可能性が高くなる |
| リストの出どころと、電話してはいけない先の扱い | 個人情報の扱いと、再架電を防ぐ運用に関わる |
| 相手が個人事業主のときの扱い | 事業用か私用かの判断が必要になる |
2点目の「アポ獲得までか」は、外注ドットコムの営業パートナー案件では、募集ページでは、商談・クロージングは原則クライアントが担当すると案内されています。それでも、単価の高い案件で範囲が広がることがあるため、案件ごとに確かめます。
なお、断られたあとに再び電話しない運用は、法人向けで法律上の義務でなくても、取り入れる価値があります。断られた記録が残っていないと、同じ会社に何度も電話してしまい、クライアントの印象を損なうためです。これは法律ではなく、筆者の考えです。トークの組み立ては、法人向けアポ獲得のトークの組み立て方で扱っています。インサイドセールスの全体像はインサイドセールスとは、契約書の確認点は営業の業務委託契約で確認する7項目で整理しています。
よくある質問
副業で電話をかけるだけでも、法律は関係しますか
電話をかける側が副業でも、電話の内容によっては法律が関係します。法人向けで適用除外になる場合も、個人情報保護法は担当者の氏名に関係します。案件の範囲や、リストの扱いは、稼働前に確認してください。
個人事業主に電話するのは、法人向けと同じ扱いですか
同じとは限りません。事業のための商材なら適用除外になりうる一方、事業用か私用かの実態で判断されます。迷うときは、クライアントに相談してください。
断られたあとに、もう一度電話してもいいですか
特商法の再勧誘の禁止(第17条)は、電話勧誘販売の規制です。適用除外にあたる限り、この条文の対象にはなりません。ただし、断られた先に何度も電話する運用は、クライアントの信用を損なうため、断られた記録を残して再架電を避けるのが無難です。
法律に違反するとどうなりますか
適用除外にあたるなら、この規制の対象外です。対象になる場合に、規制に違反すると、SalesNowの解説によれば、消費者庁による業務停止命令や改善指示の対象になりえます。適用されるかの判断は個別の事情によるため、専門家に確認してください。
まとめ
法人向けのテレアポは、特商法の電話勧誘販売の規制から原則外れます(第26条第1項第1号)。ただし「営業のために」かどうかは契約の実態で決まり、個人事業主が相手のときや、電話で契約まで完結させる形では、慎重に見る必要があります。個人情報保護法では、会社の情報は対象外でも、担当者や代表者の氏名は対象になります。
架電前に確かめるのは、名乗り方、仕事の範囲、リストの出どころと断り先の扱い、個人事業主の扱いの4点です。どれも案件ごとに違うので、稼働前の面談で聞いてください。
まずはエントリーして、案件の条件を聞いてみる
外注ドットコムの営業パートナーは、固定給のない業務委託です。売る案件は外注ドットコムが紹介し、商談とクロージングは原則クライアントが担当します。報酬は成果に連動し(完全成果報酬型またはレベニューシェア型)、報酬額・料率・条件は案件ごとに設定されます。エントリー後は、担当者から連絡が入り、面談で案件を相談します。収入を保証するものではありません。
- 売る案件は外注ドットコムが紹介します
- 商談・受注はクライアントが担当。アポイント獲得に集中できます
- フルリモート・副業OK(業務委託)