営業パートナー募集|コラム
報酬と契約

営業の副業は案件を掛け持ちできる?競業避止と契約後の制限の見方|確認する4点

公開 2026.10.30文:外注ドットコム 営業パートナー募集 編集部

営業の副業で案件を掛け持ちできるかどうかは、法律ではなく、契約書の競業避止の条項で決まります。契約期間中に「競合する仕事を同時に受けない」と書かれていれば、その範囲の掛け持ちは契約違反になりえます。書かれていなければ、掛け持ちを一般に禁じる決まりは、今回参照した公的資料には見当たりません。

この記事は、営業の業務委託を複数の発注元で組み合わせたい人に向けて、契約書や就業規則で確認する4点を整理します。「競合」の定義、契約終了後の制限の目安、秘密保持との違い、本業の就業規則との関係の4つです。数字や考え方は、@SOHOの解説、厚生労働省の資料、フリーランスガイドラインの範囲で書いています。筆者は法律の専門家ではないため、個別の判断は弁護士に確認してください。

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掛け持ちの可否は、契約書の競業の条項で決まる

業務委託で働く営業は、雇用ではなく独立した事業者です。複数の発注元から仕事を受けること自体は、禁じられていません。制限が生まれるのは、契約書に競業避止や専属の条項があるときです。@SOHOの解説(2026年5月7日公開・7月31日更新)も、フリーランスは職業選択の自由と営業の自由を持つ独立した事業者だと説明しています。

ただし、発注側が何でも決められるわけではありません。内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省の連名で出ているフリーランスガイドライン(令和3年3月26日策定)は、発注事業者が秘密保持の範囲を一方的に決めたり、「業務で得たスキルや知見があるから他社の仕事を受けるな」と求めたりすることを、合理的に必要な範囲を超えた秘密保持義務等の一方的な設定にあたるおそれがある、としています。掛け持ちの制限も、合理的に必要な範囲を超えて一方的に求めると、独占禁止法上の問題になるおそれがある、という見方です。

契約期間中の制限と、契約終了後の制限は別物

競業避止の条項は、期間中と終了後の2種類に分かれます。@SOHOの解説(2026年3月18日公開・7月30日更新)も、分けて読むよう勧めています。

契約期間中契約終了後
内容特定の発注元の競合案件を、同時に受けない契約が終わったあとも、一定期間は同業の仕事を受けない
見られ方(@SOHO)利益相反を避ける観点から、一定の合理性があるとされる期間・範囲・地域・対価の合理性を、最も厳しく確認すべきとされる
掛け持ちへの影響「競合」の定義しだいで、同時に受けられる案件が変わる契約を終えたあとの稼働先に影響する

確認点1:「競合」の定義が具体的に書かれているか

最初に見るのは、「競合」が何を指すかです。@SOHOの解説(2026年3月18日公開)は、競合の定義がないと解釈の幅が広がると説明しています。出典の例示は「当社と少しでも競合する可能性のある一切の事業」のような広い書き方で、これを問題視しています。対策として、特定のサービスと直接競合する受託業務に限る書き方のように、契約の段階で具体的に定めることを勧めています。

別の@SOHOの解説(2026年1月20日公開・7月21日更新)は、Webライターを例に、禁止の範囲を段階で示しています。業界全体の記事執筆を禁じる書き方が最も広く、競合他社、特定の商品カテゴリの競合他社、契約中に扱った特定商品の競合品の順に狭くなる、という整理です。これを営業のアポ獲得に置き換え、3段階に簡略化したのが次の表です(当社の整理)。

禁止の書き方営業の場合の例掛け持ちへの影響
業界全体同じ業界の商材のアポ獲得をすべて禁じる同じ業界の案件は、ほぼ受けられない
競合他社発注元の競合企業の商材のアポ獲得を禁じる競合企業以外の商材は受けられる
特定商品契約中に扱った商品の競合品に限って禁じる影響が最も小さい

確認点2:契約終了後の制限は、期間・範囲・地域・対価で見る

契約終了後の制限は、期間が6か月〜1年程度なら合理的とされることが多く、2年を超えるとリスクが高まる、と@SOHOは説明しています。「6か月〜1年程度」は5月7日公開と3月18日公開の解説に、「2年超でリスク」は3月18日公開と1月20日公開の解説に出てきます。見るのは、次の項目です。

見る点見方(@SOHOの解説)
期間6か月〜1年程度が目安。2年を超えるとリスクが高まる。5年や10年のような極端に長い期間について、5月7日公開の解説は「ほぼ確実に無効」と説明している(1月20日公開の解説も5年を長すぎる例に挙げる)
範囲「一切の事業」のような曖昧で広い書き方は問題視され、受託業務と直接競合する範囲に絞るのが望ましいとされる
地域全国一律の制限は不要なケースが多く、実際の事業展開地域に応じた設定が望ましいとされる
対価制限に見合う上乗せ報酬などがあるか。代償措置がないのに広い競業避止を課す条項は、バランスを欠き無効の方向に傾くと説明されている
守る利益営業秘密や顧客リストなど、保護すべき具体的な利益があるか

厚生労働省の「フリーランス・トラブル110番」には、関連する事例が載っています。業務委託で働くネイリストが、辞めたあと3年以内は半径20kmの同業サロンで働かないという誓約書に署名させられた事例で、期間と範囲が広く代償措置もないこと、技術を教わっておらず育成費用の回収という目的も乏しいことから、合理的に必要な範囲を超え、無効となる可能性が高いとされています。半ば強制的に署名させられた経緯も、判断材料になりうるとしています。営業の案件にそのまま当てはまる数字ではありません。事例のポイントには、過度に制限する条項のある書面にはすぐ署名せず、削除や合理的な範囲への修正を求めることが挙がっています。

対価の目安として、別の@SOHOの解説(1月20日公開)は、2年の制限を維持するなら期間中の最低保証を求める方法を挙げ、競業避止の期間中の最低保証として、直近年収の30〜50%を示し、交渉のたたき台になると書いています。これは一つの解説の例で、案件ごとに違います(当社の補足)。固定給のない成果報酬の案件では、対価をどう設けるかが決まりにくいため、この点は面談で確かめる項目になります(当社の補足)。

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確認点3:秘密保持と競業避止を分けて読む

秘密保持と競業避止は、別の条項です。秘密保持は、顧客リストや価格表などの情報を外に出さない義務です。競業避止は、仕事そのものを制限する条項です。@SOHOは、守りたいのが秘密情報なら、多くの場合は秘密保持義務だけで足りると説明しています。交渉の方法としても、競業避止を弱める代わりに、秘密保持を厳格にする案を挙げています。

秘密保持の条項があれば、競業避止がなくても、案件Aで知った顧客の情報や価格を、案件Bの架電に使うことはできません。秘密保持の対象になりやすいのは、架電先のリスト、商材の価格、商談の状況です(当社の整理)。契約書では、秘密情報の範囲と、契約が終わったあと何年続くかを確認します。

確認点4:本業の就業規則では、副業先との競業も問われる

会社員が副業で営業をするときは、副業先との契約に加えて、本業の会社との関係もあります。厚生労働省の説明によると、副業・兼業の促進に関するガイドライン(平成30年1月策定、令和2年9月・令和4年7月改定)では、会社は就業規則で届出制などを定めたうえで、次の場合に副業を禁止・制限できることとしておくことが考えられる、とされています。

  • 労務提供上の支障がある場合
  • 企業の秘密が漏洩する場合
  • 競業により企業の利益を害する場合
  • 名誉・信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

労働者には、秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務があるとも説明されています。つまり、副業先の営業案件が、本業の会社の事業と競合するかどうかは、副業先の契約とは別に問われます。たとえば、本業と同じ業界の商材のアポ獲得は、競合と見られる余地があります(当社の例です)。判断は会社の就業規則しだいなので、案件に応募する前に、就業規則を読み、必要なら会社に確認します。副業を始める前の確認点は、副業の営業を始める前に確かめる4つにまとめています。

外注ドットコムの営業パートナーで掛け持ちを考えるとき

外注ドットコムの営業パートナーは業務委託で、雇用ではありません。募集ページでは、副業・兼業を歓迎し、稼働時間・日数は自由、勤務地はフルリモートと案内されています。一方で、ほかの案件との掛け持ちや、競業の扱いは、募集ページには書かれていません。報酬額・料率・条件は案件ごとに設定されるため、競合の定義や契約終了後の制限の有無も、案件ごとに確認する点になります。

面談で確かめるのは、次の3点です。

  1. 「競合」として制限される範囲(業界・商材・カテゴリのどこまでか)
  2. 契約終了後の制限の有無と、あるなら期間・範囲・地域
  3. 秘密保持の対象と、契約後に続く期間

よくある質問

営業の業務委託で、複数の会社の案件を同時に受けても違法ですか

掛け持ちを一般に禁じる決まりは、今回参照した公的資料には見当たりません。ただし、契約書に競業避止や専属の条項があれば、その条項に従う必要が生じ、反すると契約違反として扱われえます。範囲が不当に広い条項は、無効や独占禁止法上の問題になりえます。

契約終了後に同業の仕事を受けるなと書かれていたら、署名しないといけませんか

署名の前に、期間・範囲・地域・対価を確認し、削除や修正を求める余地があります。フリーランス・トラブル110番の事例も、過度に制限する条項のある書面にはすぐ署名しないことを勧めています。無効にあたるかは個別の事情で変わるため、迷うときは弁護士に相談してください。

競業避止に違反したら、どうなりますか

契約書に損害賠償の定めがあれば、それが基準になります。@SOHOの交渉の解説は、損害賠償の上限を契約の総額とするよう求める方法を挙げています。

副業の営業は、本業と同じ業界の商材でもできますか

本業の就業規則と、会社が競業をどう見るかで決まります。同じ業界の商材は競合と見られる余地があるため、会社に確認してから応募します。

まとめ

営業の副業で案件を掛け持ちできるかは、契約書の競業避止の条項で決まります。確認するのは、「競合」の定義、契約終了後の制限(期間は6か月〜1年程度が目安、2年を超えるとリスクが高まる)、秘密保持との切り分け、本業の就業規則の4点です。

外注ドットコムの営業パートナーは副業・兼業を歓迎し、稼働時間・日数も自由ですが、掛け持ちや競業の扱いは案件ごとの契約条件です。面談で3点を聞き、書面で確認してから契約を結びます。契約書全体の見方は、営業の業務委託契約で確認する7項目で、報酬の仕組みは完全成果報酬の営業とはで整理しています。

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